ボーカロイドと米津玄師の話
初音ミクさん、
10周年おめでとうございます。
ボーカロイドについての記事を読んで憤りを覚えたので、私のもやもやを晴らすために記事を書きたいと思う。
ボーカロイドについては、今は知らない人の方が少ないと思うが、平たく言えば音声合成ソフトである。
「自分の作った音楽を、かわいい女の子に歌ってほしい」
そんな人に向けて作られたソフトで、元の声は声優、藤田咲さんが担当している。
シリーズ化しており、一番有名な「初音ミク」は勿論、少年声、少女声の「鏡音リン・レン」や、少し大人声の「巡音ルカ」等バラエティーに富んでいる。
詳細はこちら↓
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/初音ミク
[:私とボーカロイド]
ボーカロイドとの話をするには、まずニコニコ動画の話をしなければならない。
ニコニコ動画とはyoutubeの、賑やかバージョンである。2ちゃんねるの動画バージョンと言った方が分かりやすいかもしれない。
コメントが動画再生と同時に右から左で流れるようになっており、「自分が見ているその場面」の感想をその場で読むことができるので、「ここでは他の人はこういう風に思ったんだな」と解りやすく読むことができる。
また、youtubeと違い匿名性が高い。
(少なくとも私が一番アクセスしていた頃の話)
遜色ない意見を書き込めるし、良し悪しはあるがコメントについての責任感も持たなくてよかった。人の顔色を伺わなくていい、楽に息ができる場所だったのである。
そんな中、私と初音ミクは出会った。
いつものように総合ランキングを開くと、トップページに見慣れないサムネイル。
(PV版で申し訳ない)
とにかく開いて聞いてみる。
なんだこれは。機械音?女の子?ん?
めっちゃかわいくない?
一瞬来る不快感と、それを越える未知のモノへの興味。機械音声についてはゆっくり動画で予備知識はあったものの、歌を歌っている動画を見るのは初めてだった。
「初音ミク」との出会いである。
結論から言うと、私はすぐに彼女の虜になった。
初音ミクの魅力は彼女を起点に、様々なコンテンツを作り上げられる所にある。これについてはGoogleのCMが分かりやすいだろう。
絵師・音楽P・動画作成者・踊り手等の同じ楽曲による違う魅せ方を見るのが好きだった。
原曲を聴き、手描きMADや踊り手動画を見て、「こういう解釈もあるんだな」と楽しむ。耳障りだった機械音にも慣れた。
幸いボーカロイド好きな友人にも恵まれていたので学校でも楽しく過ごし、
「ハジメテノオト」「メルト」「人柱アリス」「カンタレラ」「炉心融解」
様々な曲が発表され、クラスの中心にいるスクールカースト上位の子にも「初音ミク」という名前が少し認知され始めたころ、そいつはやってきた。
「ハチ」の登場である。
そう、皆大好き「米津玄師」である。
「ハチさんって人が好きでめっちゃ聞いてる」
友達からそう聞いた私が初めて聞いた彼の曲は「Mrs.Pumpkinの滑稽な夢」だった気がする。曖昧だけど。おそらくその時点で「リンネ」までは公開されており、なんだかんだ馬鹿ハマりして当時最先端だったipodの小さい奴に入れてしこたま聞いてた。「リンネ」と、演劇部だったので「演劇テレプシコーラ」をめっちゃ聞いてた。
友人の言葉を借りると彼の音楽は「おもちゃ箱をひっくり返したみたいな音」らしい。
この言葉に納得しすぎて10年近くたった今でも忘れられない。
ごちゃごちゃしてどう考えても気持ち悪くなる音なのに、脳みそが彼の音楽をもんのすごく欲しがるときがあるのだ。
米津玄師の「MAD HEAD LOVE」とかそんな感じ。書くために久しぶりに聞いたけどほんま気持ち悪さと気持ち良さを行ったり来たりしている。これ、わりと日によって違うんだけど今日はダメな日だった。
勿論、曲によって「おもちゃ箱のひっくり返し具合」の強弱の振れ幅は大きい。
「vivi」とか「アイネクライネ」とかは控え目だと思う。
何を言いたいかと言うと、私は彼が好きだ。
「恋と病熱」とか今改めて聞いたけど最高に好きだった。
「今のボーカロイドの曲ってなんか米津玄師っぽい」
そんな言葉をみかけた。ああそうなのか、と思うと同時に憤りを感じた。最近聞いてないけど!けども!と思って聞いてみた。
オッシャレーーーーーーーー!!!
どうしても好きなものに影響されるから、今ボーカロイドを使って作曲しているPさんが米津玄師を好きで「彼みたいな曲が作りたい」と影響されて作っているんだとしたらそれはもう仕方ないことだ。時代の流れだし、いつの時もあることだし、仕方ないことなのだ。米津玄師だって動画の中で「●●っぽいな」って死ぬほど言われてた。
ただボーカロイド界、米津玄師一神教?って言葉にだけは、ばかやろうふざけんなって言ってやりたい。一くくりにしないでくれ、頼むから。
彼らの神様は人それぞれだ。それぞれの神様がいて、その経典の影響を受けながら自分の発表したい曲を作ってツールとしてボーカロイドを使って、曲を発表している。
目標も目的も人次第だ。皆、米津玄師になりたいわけじゃない。
暴論だが、別にボカロが嫌いなら聞かなきゃいい。苦手なら苦手なままでいい。
嫌い・苦手・ゾワッとする物も人ぞれぞれだ。
どれだけ人に「これめっちゃいいよ!」とかお勧めしてもその人の興味自体なければ届かないし。いつか本当に「あ、これいいな」と思ったときに聞けば別にいいと思うのだ。
私は、この人のお勧めの仕方が嫌いです。
正直本当にいいと思ってるのかも伝わってこないし、流行りの曲を分析しただけで、ボカロ界全体のことを解ったような気になって、
「俺嫌いだけど、それってこうだよね。そういう所はいいかも?まぁ皆聞いてあげなよ」
って言っちゃう所が嫌だ。ボカロを不快に思う人は共感を覚えるのかもしれないが、少なくとも私はこの記事に不快感しか覚えなかった。
一意見です。
曲を作る人でも、動画を作る人でも、踊る人でもないが、ニコニコ動画とボーカロイドが好きだった人として憤りを覚えた話でした。