地下アイドルのライブに行った話
【アイドルのライブに行った話】
ハニーゴーランのライブに行ってきた。
ハニーゴーランを知らないなんて人はいないとは思うが、そんな稀有な方の為に書いておくと、ショートヘアの前田さんと、ロングヘアの加野さんからなる、大阪の歌って踊れて喋れる「なんか応援したくなる」2人組アイドルである。詳しくはぜひ検索をかけて欲しい。全国各地でライブをしている。2人とも抜群に美しい。ハマって下さい。
今回のワンマンライブの告知が出たすぐ後に、「ハニゴのライブに行ってみたい!」と言ってた友達に声をかけた。ギリギリまで行けるかわからない状態だったが、なんとか2人で参戦することができた。この子、加野さんのファンで、1人で人混みの中から「あれって加野さんやと思うねん」と路上を歩く加野さんを見つけたこともあるツワモノ女子である。(後日、本人へ確認したら本当に加野さんだった)ということもあり、どうしても連れて行きたかった。
自分がライブに行きたいと思うことは、年々少なくなっているように感じる。
それは勿論新しい音楽や、アーティストにアンテナを張らなくなって行くと言うこともあるし、聞きたい楽曲は彼らが販売している音源で自宅でも聞けるし、アーティストの素はSNSでも垣間見えるし、仕事は忙しいし、偶の休みはのんびり休みたいし、「自分の時間とお金を工面して会いたい(聴きに行きたい)」と思わないのだ。
ハニーゴーランの楽曲も同様で、YouTubeでも勿論MVは配信されているし、2人のツイッターもある。
そんな考え方の中で、なぜ私が彼女を実際「会わせたい」「見て欲しい」と思ったのか。
【:8月26日 大阪・梅田 ワンマン当日】
開演前
17:00、泉の広場で待ち合わせ。彼女、Kと会うのも実は3ヶ月ぶりでキーフェルで談笑した後、18時過ぎに会場へと向かった。
K「めっちゃ買い物してきてしまった」
私「お、今日は後ろでのんびり見よう」
18:00
14番出口を上がり、梅田クアトロへ到着。
前は何度も通り過ぎていたが実際足を運ぶのは初めてのクラブクアトロ。(ピザみたいな名前だな)と思った。4種のチーズ、食べたい。エレベーター内で「俺、今日ハニゴ初めてなんやけど大丈夫かな」という会話も聞こえてきて「大丈夫やで!ハニゴファンは初見にめちゃめちゃ優しいよ!」と声をかけてあげたくなった。自分も、ライブ2回目である。10階でエレベーターのドアが開くとファンからのスタフラが3つと、バルーンスタンドが1つ並んでいて、売れてるアーティストを彷彿とさせる。
ドリンクチケットを購入し、スタンド席へKと向かう。入り口では「シロイツキの時にお使い下さーい」と有志の方からサイリウム2本を貰う。2人して慣れていないので「ここかな」「ここやな」と場所取りにあたふた。今回の梅田クアトロはアリーナ、1Fスタンド、2Fスタンドのようになっていて無知な私は「もしかしてココめっちゃおっきいステージちゃうん」と思っていた。
馬鹿である。
そわそわしながら開演を待ち、
待っている間恒例の自撮りをする。
その間にステージ後方にあるバンドセットにKと気づく。「もしかして生演奏なんかな」「えっ知らん!」
ハニーゴーランの曲は電子音っぽい音が多いので生演奏、、、?と戸惑った。
結論から言うと、14曲、全曲バンドで生演奏だった。カッコ良すぎた。
【:開演】
18:30
パッと照明が落ちて、左手のスクリーンに「Honey Go Run」の文字。水滴や林、空などの静かなイメージ映像の中に今年の2人の映像が少しずつ混ざり、開演のカウントダウンが流れた。
1曲目は発売されたばかりの新曲の「Lycoris」
彼岸花をイメージした衣装は2人の体を美しくしなやかに彩る。
背中から指先に取り付けた兵児帯の様な半透明の赤い布地が夏に舞う金魚の様にひらひらと、それでいて強く彼女達を形取った。この衣装も実際見るのを楽しみにしていたので、胸が弾けそうに嬉しかった。前回の人魚の様な衣装も素敵だったが、今回のリコリスの衣装はそれを超えて2人の魅力を引き出している。
優雅に踊る2人に「この衣装でコール系の曲は向かないんじゃないかな」と勝手に心配になるがそんな心配はご無用で、2曲目のインフューチャーミュージックで、指から飾り布を外した彼女達はキレキレに踊りきり、鮮やかにコールアンドレスポンスを煽っていた。「一緒に!」「「「インフューチャーミュージック!!」」」めっちゃ飛んだ。前田さんはお客さんの煽りが抜群に上手いと思う。3曲目はバンドがゴリゴリにかっこいい「あさぎり」。電子音×和×ロックという感じで、学生時代友達が聞いていたパスピエを彷彿とさせる。生演奏で久しぶりに「バンド、かっこいい!!」という感情を思い出した。今回のライブの中で一番好きかもしれない。
ハニーゴーランのライブでは彼女達はファンのことを「おたく」と呼ぶ。通常であれば蔑称であるその言葉も、2人とファンの強い絆を感じさせた。2人のMC力はかなりのもので、ファンの方は勿論、初めてきたK、2年ぶりに見にきた私も魅了され、声を出して笑ってしまう。
MCを挟み、4曲目は今年1月にリリースされたヒカルアシタ。発売の時にNU茶屋町のインストアライブに行ったことを思い出す。ジャケ写を見て綺麗でかっこよ過ぎて、なんだかハニゴが遠くに行ってしまった様な気がしてとても寂しかった。CD3種類の中からめっちゃ悩んだ思い出。そして安定の5曲目、桜トレジャー。この曲では「おたく」が大活躍で、各パートにあるコール「わん わん」に沿ってフリップを出してくれる。「ワン(犬) ワン」の時もあれば「湾(大阪湾) 湾」「腕(ハニゴさんの上腕二頭筋) 腕」などバラエティに富んでいるので見ているだけでも面白い。初心者もコールを入れやすく、親しみやすいなと思う。
6曲目のエメラルドの前奏で最高に煽られ、焦らされる。爆発するかの様な期待の中での1曲。
前田さんと加野さんの2人は、対照的なパフォーマンスを魅せてくれる。
前田さん(画像:左)
ハニーゴーラン前田侑里 (@uipppe0531) | Twitter
元気一杯、笑顔が眩しくファンの目・反応をしっかり見て、大きなダンスを披露する。
歌が抜群にうまい。これぞアイドル。
前田さんと目があったらもうだめだ。コロコロと変わる表情に目が離せない。
対して、加野さん。(画像:右)
加野文華ハニーゴーラン☆クアトロアイドル (@9kano6) | Twitter
指先足先、髪の先まで洗練された美しい動き。リコリスの衣装は彼女の美を引き立てるものでしかない。
ゆらゆらと飾り布を操る一つ一つの動きがとにかく綺麗で、全く無駄がない。真剣な表情でダンスに取り組んでいたかと思えば、ふわっと柔らかい表情に変わりキュートな動きを魅せてくれる。Kはこれにやられてもうメロメロだった。
ギャップ、最高である。
【:後半戦】
7曲目のヒトナツが終わると、2人は一時退場しバンド演奏が始まる。バンド演奏のかっこよさはさる事ながら、衣装チェンジかな、どんな衣装かなと、衣装を見るのが大好きな私の妄想・期待のひと時だった。
8曲目のフェストでは、昼イベントで登場していた2&のSakiさんと星名ふみみさん、それからもう1人アイドルさんがバックダンサーとして登場。Kが隣で「えっめっちゃふみみちゃん脚綺麗・・・」とこぼしたのでそれからふみみさんの脚しか目がいかなかった。好きです。
9曲目、MyFiction。ここで加野さんがタイトルコールを間違える。そんな加野さんも可愛い。終始はにかむ加野さんが可愛かった。この曲の時計の針ダンスが好きで、ワンマンで見ることができて嬉しかった。10曲目はヒカルアシタから電子音ロックのRay of hope。電子音×ギターが心地いい。
11曲目LITHOSは、2人の可愛さが眩しい。MVのパジャマ姿も良かったが今回の衣装チェンジでの白Tワンピに黒レースキャミ、前田さんは黒ベレー帽、加野さんは黒リボンという組み合わせが最高に可愛かった。
最後のMCで前田さんが「私がハニーゴーランを辞めない理由」について丁寧に話し、加野さんが「まだクアトロの器ではない、周りの人達に支えられてここまで来れてる」というお話をされ、最後のさよなら、またね、からのシロイツキで、ぽろっと自然に泣いてしまった。
「さよなら、またね」はめっちゃ名曲なのでぜひ皆さんに聞いて欲しいと思う。
前田さんの「仲のいいアイドルさんが次々卒業していって、残されたファンの気持ちと彼女を思う気持ちを歌詞にした」という言葉が印象的だ。
Lycorisに収録されているのでぜひ手にとって欲しい。(※3バージョンあるので購入時は注意)
有志の方が配っていた白いサイリウムで埋まる場内。ステージの2人からはどんな風に見えただろう。アンコールは2人の耳にはどんな風に届いただろうか。
アンコール、Knock on!!!
紫のライブTシャツに身を包んだ2人。
ハニーゴーランを代表するこの曲。
「Knock on idol」
「オレオ、オレオ、オレオレオレオ♪」
曲中にファンが有志でオレオを配ってくれる。
ここからまたハニーゴーランは大きく羽ばたくのだろうなと、風船を皆でポンポンしながら笑顔の2人を見て、見にきて本当に良かったな、と思った。
終演後
ワンドリンクを交換し、のんびり物販を待った。
クアトロのドリンク交換のお姉さんは可愛い。
CD3枚で3チェキ、という言葉に何枚買おうかと思案するKと一緒に、CD1枚を購入し、緊張しながらも加野さんと前田さんに最高だった旨を伝えてその場を後にした。(Kは加野さんと2チェキを撮ってもらっていた。手汗すごかった。)
【:終わって】
私が彼女に「ライブのハニーゴーランを見てもらいたかった理由」は、単純な理由だが、「好きなものを好きな人に好きになって欲しい」と言うことだった。画面越しの映像や曲ではなく、実際ライブで見る本物の彼女達を知って欲しかったからだ。あの柔らかい、綺麗で、面白い、可愛い魅力と空気を知って欲しかった。ハニーゴーランは、断然、生で見る方がいい。
50倍くらい現実の方が面白いし、可愛いし、綺麗だ。
ただ、これ、凄くドキドキした。自分の好きなものを他人にオススメするのって、自分をさらけ出すようで死ぬほど緊張するし、嬉しいし、泣きそうになる。良かっただろうか、押し付けてないだろうか、好きになってくれるだろうか、彼女の心に少しでも響けばいいと思う。
ライブに行く=会いに行くという表現を言い始めた人は最高に頭がいい。
気になった人に時間とお金を作って会いに行く。
だから今、その時間は大切で掛け替えのないものになる。
Youtubeにもハニーゴーランの動画は、沢山ある。ライブ動画もあるし、2人が僻地でインスタントうどんを食べてる動画もあるし、オレオ食べてる動画もあるし、MVもある。
ぜひ見てみて欲しい。
彼女達と会えるのは、きっと今しかない。